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狼と香辛料はラブコメ!?お前、どこみてんねん!【高評価:上級者向けアニメシリーズ②】

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上級者向けアニメ...それは、1回みただけでは理解できず、アニメのセリフをメモしたり、ヤホー知恵袋の力を借りないとそのアニメの100%を楽しむことができないアニメ。調べてはいないが、さっちゃんが開発した造語

「上級者向けアニメシリーズ」第2弾は「狼と香辛料」です

人気ラノベ作品ですね。一見、猫耳の女の子が表紙で万人受けファンタジーのような作品にもみえますが

ところがどっこい。この作品は、難易度MAXです。というか、前回やった「AIR」より格段にきついと思います。1回みただけでは状況が把握できない。しかも、このアニメが厄介なのは、一見、難解そうなアニメにみえないから、視聴者もなんとなく楽しめた程度で評価が終わってしまう所ですね。今回は、「狼と香辛料」の1期の100倍楽しむ解説記事となります。

注意しておきますが、あくまでのこの記事は参照でお願いします

なんとなく楽しめたとか、わかったフリをするのは辞めて、みんなで楽しもうではないか

この記事を読む上で注意

狼と香辛料1期は、1~6話が第一部。8話~13話が第二部の構成となっており、話はそれぞれ別物となっております。

この記事は、この記事を読んでから「狼と香辛料」をみよう!というよりは、「狼と香辛料」を視聴してわからなくなったら補完的に読む記事になります。

情報量はめちゃくちゃ多いので、初見の方は、1クール一気見はしないで、途中でこの記事を読みながら、整理できなかった部分を確認するでもよし、メモを取りながら、人物関係図を自分で作るのもよし、ヤホー知恵袋の力を借りるでもよしです。

異世界もの」は、「中世ヨーロッパ」をモデルにした作品が多くあり、この作品もそのうちの一つです。

この記事では「はみだしコラム」を設けて、「中世ヨーロッパ」の価値観を補完したいと思います。別に読まなくても理解に支障はない

狼と香辛料がなんとなく楽しめるわけ

狼と香辛料」は、何にも考えずにみても、そこそこは楽しめます。

そこそこ?

それは、物語としての面白い展開要素があるからです

ほう、というと?

1期だけみると、主人公が人生絶望あるいは死亡する状況に追い込まれたり、ヒロインもピンチになったり、キャラクターの立ち位置がひっくり返ったりですね

あぁ~、まぁ言われてみればそうですね

だから、ノリでみれちゃうところがある。故に深く考察しなくても大丈夫かな?という気持ちになり、だいたいの人は「そこそこ面白かったアニメ」としての位置づけで終わってしまう

更に、ホロというヒロインの言葉回しが男を上手に誘惑してくれるので、童顔なんですけど、大人びた色気のある誘惑に興奮するというラブコメ要素としても充分、他のラブコメ作品よりは上のレベルの作品となっております。なんとなく楽しめちゃう

でも、それでいいんじゃないんですか?

しかし!これだと、10年経った今、ワイが「狼と香辛料」を推す理由には達していない。だから、これからこの作品の説明と共に、真の面白さを布教していきましょう

なるほど

狼と香辛料の真骨頂、みえない群青劇と整合性のとれた展開・構造

◆ここにがポイント!◆
周りのキャラクターがそれぞれの利益のために動きそれが複雑に絡み合う

バッカーノとか、魍魎の匣とか、ええと...オッドタクシーとか、各キャラがそれぞれ行動してそれが物語のメインに絡んでいるような作品って、勿論作る上でも難しい

それはそうですね

狼と香辛料の面白さも「群像劇」なんですよ。

ほ?でも、基本的には主人公ロレンスとヒロインのホロが主軸じゃないですか?

そうなんですが、展開上、この作品を100%楽しむためにはどうしても、周りのキャラクターや組織がどういう理由で動いているのかというのを把握しないとなんでロレンスとホロが追いやられていくのか、わからないんですよ。みえない群青劇になっていて、それは、バッカーノ、デュラララよりも人物関係図がみえにくくなっていて難しい。その上でロレンスは作戦を組み立てるので、故にこれは、「上級者向けアニメ」確定です。

あぁ~、なるほど。

話が難解というよりは「複雑」です。しかし、この「複雑」さを分解して視聴した時になんて緻密な物語なんだ!と感動させられます緻密な上に、キャラクター達がしっかり追い詰められる。物語としてもよし設定よし

◆ここにがポイント!◆
ストーリーのややこしさもあるが、整合性がとれている

最低限構成と設定チェック。視聴前に一回どうぞ

主人公、ロレンス:商人

日本人は、「円」という共通の尺度があるんですけど、この世界というか外国もそうなのですが、「お金」が1種類じゃないんです。

2種類以上の「お金」があると、

例えば、1円=10ピリカが、翌日には1円=11ピリカになってたり変動するわけですよ。

商人のロレンスは、単純に安いうちに、10ピリカのうちに1円買って、1円=20ピリカになったら、その1円うって、20ピリカ返ってくる。

差額は10ピリカ、つまり、10ピリカ儲けといった感じで、一般的な株を買う人のイメージのようなことをやってお金儲けしようとするのが基本にあります。

◆ここにがポイント!◆
ロレンスは、「差額」で儲けようとたくらむ、金に汚い主人公

はみだしコラム:「お金」とは何か?

「はみだしコラム」は本筋からずれるので、興味が湧いたら読んでください

お金のない時代であげるなら、物々交換ですが、お互いに欲しいものがつりあっていないと物々交換が成立しないんです。

じゃあ、共通の価値を持っているものがあれば便利だよねということで「お金」というものが発明された。

「お金」というものが開発されたおかげでヒトは様々なものを交換によって取引することができるようになった。

お金は共通価値のツール

ホリエモンは「信用を数値化したもの」と述べていましたが、「お金」というものを「お金」として信じていないと「お金」は、お金としての機能が成立しないので、お金=信用という意味で同じです。

例えば、「円」というお金が他国で全く使えないのは、海外では「円」という貨幣を信用していないから「ドル出せや」っていう風になりますよね。お金は、信仰している人の間の共通の価値なんです

1~6話:銀貨大量に買う→王家に高く売りつける作戦※4話まで視聴したらおさらいしたい

4話まで、視聴したらいったん整理しましょう。残念ながら「狼と香辛料」の1~6話は、ここだけ抑えておけば大丈夫というのがありません。

それは、行動原理の理由を徹底的に追っていかないと視聴者が納得しないからです。

結局、徹底的に解説することになってしまいます。

ヤフー知恵袋でも、いいですが、一応こちらでも説明しておきます。

ニコニコしてる嘘つきゼーレン:

「銀貨の価値上がりますよ(嘘)」

→ワッチ「あいつ、嘘ついとるぞ」

→ロレンス「誰かに頼まれてその手間賃、 価値が下がる銀貨を買えば買うほどもうかる仕組みってなんだろうなぁ?」

「じゃあ、騙されたフリして、なんでそんな嘘をついたのか探ってみよう!」

という感じでロレンスが理由探ってたら閃くわけです

※ゼーレンは、貴族に雇われて嘘を商人に流すように雇われただけ。

貴族とトレニー国は繋がっている推測された。トレニー国が商人に銀貨を大量に買わようとする理由をロレンスは考える。

ここで、4話までの流れをざらっと説明します

1.トレニー国→財政難で、銀の純度を下げてでも、数を増やして借金返済したい。 そのために商人に銀貨を集めさせて、トレニー銀貨を回収したいのだが、 「銀の純度を下げてる」なんて巷でバレたら国の威信が間違いなく下がる。

2.ロレンス&ミノーネ商会→トレニー国が、大量の銀貨が欲しいって怪しいなぁ?「銀の純度下げるるもりなの?」って、トレニー国を脅し(取引)まくったら、トレニー国から国内の特権を獲得できるんじゃね?これはやってみる価値あるなぁ、よし!銀貨集めよう!

3.メディオ商会「やべっ、銀貨集められていないし、ミノーネ商会が先にトレニー国と取引したら特権がゲットできない!ミノーネ商会の奴らが邪魔だから、ミノーネ商会の連中のうち誰か誘拐しよう!」 ホロ誘拐→メディオ商会が誘拐してからホロの正体に気づく、「え!??狼!?教会にちくろうかな~」

ミノーネ商会&ロレンスVSメディオ商会VSトレニー国VS教会

1ミノーネ商会&ロレンス

2メディオ商会

ホロを誘拐したライバル商会

3教会

国と同じくらい権力がある。

作中でもミローネ商会のライバルは教会といわれるほど、いざという時の備えも抜群で最強。

はみ出しコラム:教会って、なんでそんな偉いの???中世の思想

※この部分は興味あったら読んでください。異世界アニメ共通にいえる教養です

この世界は異世界ファンタジーですが、中世がモデルになっています。

パラダイム(社会を構成している基本的価値観)が科学革命が起こる前とは違っているんです。

私たちは「自然現象には合理的な理由がある」と考えていますが、この時代の人々は「神がそうきめたから」という根本的なモノが違うわけです。

この時代の背景をいうと、キリスト教とは言っていないのですが、おそらくキリスト教モデルの教会だと思います。

んで、「聖書」は大変な貴重なもので、読める人間も聖職者に限られている。教会の大伽藍、反響する聖歌隊の歌声、分厚く読むことのできない聖書などから、教会や聖職者は、畏怖されていた。

「宗教」とは、人々をまとめあげるための手段であり、 もっと歴史を遡ると、人類の思想を統一する「宗教革命」というのがありまして、「一神教」が布教に便利だったんですよね。

人類は「科学革命」が起きるまで「神」が第一だったわけですね。

で、なんでこんなにみんな宗教に洗脳されているのか?という話ですが、教会の人は、立派な人もいて、家のない者を泊めたり、スープを飲ませたりもしてくるわけです。神父さんは、病気の時、見舞いもきてくれるし、臨終のときは必ずきて懺悔をさせ、天国に召されるようにしてくれる。

信者は「教会のある村に生まれてよかったよかった。神様の思し召しやで」と感謝で胸がいっぱいになります。

これが当時の人の基本的な考えです。

ロレンスも商人ではあるけれども「神」という言葉も時折つかいます。

これを「洗脳」と呼ぶかはさておきですが、これはこれで、現代人のように「死んだら終わり。天国なんてあるわけがない」と考える人よりはよっぽど幸福度が高いと思います。

教会というのは、信仰によって人々を幸福にはしてますし、人々もその方が生きていく上でいいよねというが、パラダイムだったということですね

まぁ、理解できないですよね。でも、皆様が信仰している合理的論理的な「科学」という信仰宗教は、キリスト教から生まれた宗教でございます。

キリスト教の一部の信者が「神様がこの世界をお造りになったのだから、この世界は素晴らしい秩序で満ちているに違いない。その秩序を見つけて、神様の御わざを讃えよう」とはじまったんです。

「そんな秩序などみつけなくても、神様がスゴイのはわかっている。そんなことをする暇があったら真面目に祈ってろ」という主流のいじめにあいながら科学の研究をスタートするわけです。

そうして、メンデルの遺伝の法則、万有引力の法則、ケプラーの法則とかが誕生し、

更に時代が進むと、やがて、グーテンベルク活版印刷を発明した(科学革命の一つ)おかげで、誰でも家庭で聖書が読めるようになってしまって、教会での説話と聖書の矛盾に気づく人がふえちゃって段々威信がなくなっちゃった。

キリスト教から生まれた科学が、キリスト教自身を否定してしまうというのが中世→近代の歴史の流れです。

みんなが信頼している「科学」宗教は元をたどれば教会にいきつく。

4トレニー国

トレニー国としては出来るだけ沢山の銀貨を集めたいわけです。

何十万枚もの銀貨を鋳潰せば数万から十数万もの銀貨を新たに作ることができ、そこからは莫大な利益が生まれます。

一応、日本のポジションでいうと「日本銀行発券銀行)」で、この世界では、国と発券銀行が一緒になっている

はみだしコラム:銀貨を新たに作ると莫大な利益が生まれるのは何故か?

↓別記事で「お金」について詳しく書きました↓

fal-ken.hatenablog.com

お金とは、「財・サービスの価値情報、及び、その媒体(メディア)の総体で、財・サービスとの交換や保蔵ができるもの」です。

貨幣を発行主体から分類すると「公共貨幣」と「債務貨幣」に分けられます。

公共貨幣とは、議会や政府または時の権威・権力者(幕府や君主等)が無利子で発行する貨幣です。

中央銀行日本銀行)ができるまでは「公共貨幣」制度なので、国がお金を発行します。

貸金に対する需要は常にあったので、

購買力の創造と分配の決定権を握っている国家は非常に強力であり、

銀貨の純度を下げてでも銀貨を増やすことは、それだけ多くの人に「又貸し」をすることができ、国内で事業を起こす人が事業を起こしやすくして、国家に新しい商品(食糧でも何でも)を生み出して豊かになっていくことを目指していきます。

はみだしコラム2:「硬貨」の水増しを行った歴史的事例

古代ローマ帝国では、実は「硬貨」の水増しを行ったことがあります。

それまではローマ拡大によって多くの銀山が見つかり、質の高い銀貨をつくることができていたのですが、ローマの拡大が停止すると既存の銀山を掘るしかなく、次第に銀河枯渇するようになります。

しかし、ローマは巨大な国家ですから、その維持費や軍事費はとてつもない額です。そこでローマは、銀貨を小さくしたり、銀の含有量を減らしたりすることで、銀貨の枚数を「水増し」したのです。しまいには、銀の含有率が5%という、ほとんど銅で出来た「銀貨」なども登場しました。

それまでのローマの銀貨は純銀に近く、金属としての「銀」の価値そのものが貨幣の価値でしたが、銀の含有量の低下により、「金属としての硬貨の価値は下がったが、額面は純銀の銀貨のように流通させる」ということが始まったのです。

言い換えれば、「ローマ帝国の『信用』によって金属の価値以上の『額面』で流通させている」ということになります。

しかし、こうした質の低い硬貨を長期にわたって発行すると、徐々に「信用」は失われます。同じものなのに、これまでより多くの硬貨を使わないと買えなくなるという物価の上昇が起き、ローマ経済が混乱したこともローマ衰退の要因の1つとなっています。

ここで混濁する5話・6話:ロレンスの作戦から解決まで

5話にて、 メディオ教会の脅迫 「お連れの方(ホロ)が教会に連れて行かれたくなければ、取引が終わるまでじっとしていろ」 それに対して、ロレンスがとった作戦はこちら

ロレンスはホロを奪取して逃げ回る間に、ミローネ商会はトレニー国と取引(銀貨を大量に売って特権を手に入れる)を終わらせる作戦!

5・6話で行われる作戦はこちらになります。

ホロが奪取して逃げ回っていれば、ミローネ商会は脅迫に屈する必要がなくなり、トレニー国と交渉ができるという作戦だ。

狼と香辛料の作品の魅力は、この作戦をやるしかない背景と理由付けがしっかりしているため、こちらが作品ののめり込むことが可能になっている点です。

では、この作戦の疑問点を洗い出していきます。

疑問点1:ミローネ商会は、関係ないし、別にホロを切り捨ててもよくね?ロレンスと協力しなくてもいいよね?

回答:そんなことしたら、ロレンスは「トレニー国と取引する時に足をひっぱるぞ」と脅す。ミローネ商会は特権が欲しいわけですから、ホロを切り捨てられなくなる

疑問点2:ミローネ商会とトレニー国との取引が終わったら、逃げ回らなくて済むのは何故?

回答:取引が終わった後に、メディオ商会(誘拐した方の紹介)が教会に告発したとすると、トレニー国は「国王が悪魔の化身を擁するミローネ商会と取引を行なった」ということになり、教会はもちろん教会の勢力の強い国々からは良い顔はされません。ただでさえ金銭的に困っているのにさらに悪化することになります。そうすると間違いなくメディオ商会(誘拐した方の紹介)はトレニー国からうらまれます。最悪、武力的に潰されるかも知れません。(引用:ヤフー知恵袋

というわけで、ホロを捕まえる理由がなくなるわけです。

疑問点3:ホロが誘拐されてメディオ商会が先に取引したら作戦もくそもなくね?

回答:ところが、メディオ商会は現時点(5話)では、トレニー国と取引していない。ロレンスは、

「メディオ商会は銀貨をまだ集められていない。その辺ミローネ商会の方が銀貨を集めているのでこのままだと、ミローネ商会に先をこされるから誘拐した」とこう考えた。

メディオ商会が先に取引できていたら、ホロを誘拐する必要すらない。

まだチャンスはあると

疑問点4:メディオ商会がホロを教会に告発したら終わりじゃね?

回答:そうです、終わり。

ロレンスはホロを見捨てないので、ミローネ商会は取引を優先してもいいから、ロレンスはホロを奪取して逃げ回っているサポートをすることになる。

すぐに作戦を立案して決行します。

メディオ商会側の企みに関して

メディオ商会とパスロエ村が繋がっていて、メディオ商会=パスロエ村だったわけですが、

ホロが憤慨して脱出してきたパスロエ村の新しい領主が王家と親しいので、

王家の作戦を知り、ゼーレンを使って、ガセネタで庶民に将来銀貨の質が良くなると思わせて、銀貨を集めさせました。
(庶民は安いうちに銀貨を貯金して、銀貨の相場があがった時に使おうと思います、)
でも、結果は逆になるので、民衆がそれを知ったとたんに銀相場が大暴落します。

パスロエ村は豊かになってパスロエ村の金庫は、おそらく銀貨で一杯だったので、

銀貨の価値が暴落する前に、更に銀貨を集めた上で、ミローネ商会より先に国家と交渉して何らかの「特権」を確保する作戦だったというわけですかね。

結局、「狼と香辛料」の何が面白いのか??※6話までのネタバレ

「整合性」をとっている上で、物語になっている部分ですね

というと?

狼と香辛料は、この背景がわからなくても、6話までの展開で「出逢い」「絶体絶命」「裏切り」「逃走」といった物語の転換ポイントがおさえられているわけです。更に、ラノベっぽさ「ヒロイン」が2人いるしね。1話の幼馴染っぽいヒロインと三角関係になるのかなと思ったら、敵に回ったし笑

主人公のロレンスは命の危機レベルで追い込まれたりするので緊迫感満載、展開にしても面白いですよね

それでいて、その複雑な背景。更には、商人を主人公としてオリジナリティ

単純に、経済が学べるから面白いとか、誰が「正義」で誰が「悪か」で描いているわけではなく、結局、「動機」があってヒトが動くわけで、各キャラのそれぞれ「利益」のためにどう選択をしているのか。ヒトをちゃんと描いている作品です。さて、7話の休憩回をはさんで第2ラウンドといきましょう

8~13話:ロレンス、防具買いすぎて破産寸前の巻

第2ラウンドです。先程、説明した商人であるロレンスはモノを安く買って高く売る「差額」で儲けようしますが、大量に安く仕入れた防具が、実は、1円まで暴落してたという話です

すっからかんじゃないですか

ところが、この世界「信用買い」というのがあって、「あとで払いますよ、防具売ってから、ははは~w」っていうことをやったんです

防具を大量にお金で買ったから、ロレンスの手元にお金は....

ないんですよ。防具が1円。あと3日で払わないといけない

今回の話の組織、地域

ラトペアロン商会:8話でのおっさんの商会。ロレンスから騙して金をむしりとろうとしたけど、ロレンスに返り討ちにあった。けれども、逆に、実は大暴落していた高級防具をロレンスに売って、それを「取り立てる権利」を早々とレメリオ商会に売った。

あくまで推測ですが、ラトペアロン商会は、もともと武具一式が大暴落をしていたのを知っていて、不良在庫を抱えていた。 しかし、ロレンスはそれを知らず、武具一式を高値で買い取ってくれたわけです。 1万円の価値しかなくなった武具一式を10万円で買い取ってもらい さらにかなりの量を買い取ってもらえたからおいしいわけです。 ロレンスから売買代金の一部を受け取っているし、さらに借金も返してもらえるならなおおいしいわけですが、借金の回収は、なかなか骨の折れることだと感じたので、レメリオ商会にその権利を譲ったというわけです。(引用:ヤフー知恵袋

ラトペアロン商会は、8話でしか出てきません。

レメリオ商会:「高級防具を信用買い」→3日後にお金が支払われるという権利をラトペアロン商会から手に入れた。

ロレンスと手を組んで金の密輸を行います。

リュビンハイゲン(今回の国):この国(国だか村だか)は、金などの流通を厳しく規制している。 金そのものに大きな価値があるのに、市場に出回らないわけですから、 必然的に価値が高くなります。

作中でも、金を密輸したら左腕一本飛ぶっていう話がありましたね

信用買い:手持ち資金を超える金額で物を買う。お金はその場で決済せずに後で決済することにして、現物だけ受け取る。現代でいうクレジットカードの支払いと類似する

でも、「信用買い」や「債権譲渡」ってなんぞやと思いましたけど、前回よりはわかりやすいですね

「信用買い」→後払い。「債権譲渡」→お支払い先変更といった感じですね。厳密には違いますけど、今回はそんな感じです

ロレンスが借金返済のための今回の作戦

金を密輸するから借金帳消しにして作戦

この国は、金は極一部の組織しか輸入できず、密輸すると左腕斬られる刑にされるほど極端に規制されているので、需要がある金の価格はうなぎのぼり。 そこに金を持ち込めばめっちゃ儲かる。

これをレメリオ商会がうまくさばければ十倍の1000リュミオーネになり 元手の100リュミオーネを引けば900リュミオーネの利益になる。

借金は47リュミオーネだし、取り立てるより密輸やった方がいいでしょ?

それに、密輸がほぼ確実に成功できる術にロレンスは羊飼いを提案すると

13話 ネタバレ 

レメリオ商会は裏切ってロレンスが死の淵から生還しました。 なんでロレンスはあんな強気な態度に出られたのか?

◆ここにがポイント!◆
密輸した金をロレンスがレメリオ商会に500リュミオーネで売る形に変更した

疑問点1:なんでロレンスはこんな強きな取引に変更できたのか?

回答:「レメリオ商会とともに金の密輸をし、レメリオ商会が密輸した金を売ることで得た利益の中からロレンスが分け前をもらう」という信用契約をレメリオ商会が反故にしたので、ロレンスが単独で金を密輸した形になった(羊飼いはロレンス分に含む)。じゃあ、報復も兼ねて、こちらが有利な条件で「金」を売りつけようかという話になります。

レメリオ商会はロレンスを消すことも失敗しているし、どうしても金が欲しいので、それを拒否することは、商会が破産して鉱山行きになるよりは不利でも取引に応じないといけなくなってしまった

疑問点2:債権者が何故「ローエン商業組合」なのか?ロレンスは儲けなくていいの? 回答:まず、現代社会とは違って、ロレンス一個人では力が弱いので、ロレンスの所属先のローエン商業組合を債権者(ロレンスがローエン商業組合に借用証書を売る)としています。

ローエン商業組合としては、レメリオ商会の債権者となることで 何もせずに500リュミオーネが入ってくることになる。 レメリオ商会が債務不履行になる可能性もありますが、ローエン商業組合は実際に500リュミオーネをレメリオ商会に渡してはいないので不労所得みたいなものです。

ロレンスは借用証書を売り渡す分を儲けとし、ローエン商業組合も買い取った債権でお金が手に入るという画期的なシステムとなっている

前回よりも構造自体はわかりやすいですし、展開が180℃ひっくり返る上にスッキリするお話なので、もう、パーフェクトでしょう

このお話はニワカでもなんとなく、裏切りがあったけどホロの力で助かって最後なんとなく報復できたというスッキリ感があります。それでいて、この背景がわかれば、尚更納得のいく展開になってますね

狼と香辛料 94.24点 評価 A

点数はこんなもんで、結構高いです。ワイが過去に紹介した作品と比較してみてください。狼と香辛料の第1期のみ解説を行いました。2期も面白いですが、この通り、解説・説明が疲れるので、とりあえず1期をみましょうという形ですね。

ちなみに、2期は「91.25点でB」です

ニワカ視点からすると「アニメ」って話一つでもこんな解説しなきゃいけないんですか?

いや「狼と香辛料」は本当珍しいですよ。しかも、ライトノベル原作で。今のラノベ原作作品のアニメって見応えほぼないっすから。このアニメを紹介するのは、「ためになるから・勉強になるから」ではありません。この作品を唯一無二の面白さを理解する力というのは、他の作品を難しくて理解得出来なかった部分を楽しむ上での手助けになると思います

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