「武士道シックスティーン」のレビューをします。これは、正統派剣道青春小説となります
剣道きましたね
ワイの剣道の知識と1000作以上みてきたアニメ、100冊以上読んできた小説の経験値を元にレビューしていきたいと思います。
老害や
武士道シックスティーンの率直な感想「普通」
ごめん、これは作品をディするつもりはない。
「青春」ジャンル、つまり、青春時代に自分の中の心の在り方が間違っていると感じて、改めて「自分の在り方」を考えなおし納得する展開がパターンです。
この手の奴は、恋愛や萌えを絡んでないと「面白い」と感じないんですよね。
この部分に関しては好みが影響します。
ワイはこのジャンル自体が、総じて面白いと感じていない。
ポイントとなるには、読者も納得するくらい死にたくなるような「挫折」
これが重要だと思っています。
良い点 剣道描写がすごい!
剣道描写。
原作者は剣道の人ではないと思うのですが、経験者よりも知識が豊富ではないか
それくらい丁寧な描写であり、剣道の課題、「女子高校剣道」というものを捉えている。
ここはプロ作家の描写だと思います。
漫画の「むさしの剣」や「バンブブレード」と比べても、剣道に対する取材・知識量を上回っています。
これだけでワイにとっては嬉しい作品です。
もし他の作家さんが「剣道の小説を描きたい」と考えるならば、この小説の剣道の描写は非常に参考になると思います。
あと、もう一人の女の子がすごくいいです。
この女の子というのは、試合に勝つための剣道ではなく、「剣の理法の修練を目指す人間形成の道」という理合の剣道で試合に臨んでいきます。
それが、かみ合って主人公に勝ってしまう。
それで、主人公は、負けん気が強くてリベンジしたいという気持ちになる。
大人たちの伝統精神性のある剣道と、試合に挑んでいる現役選手との考え方の違いというのは剣道が常に抱えているものですが、
このテーマもいいですし、物語の始まるきっかけとしては充分パワーがあります。
この序盤の流れは非常に素晴らしいです。
悪い点 主人公にもっと絶望を与えてほしかった
青春小説って
「間違った考え方」→「偽りの成功」→「迷い」→「挫折」→「考えを改める」
という流れになるのですが、
「挫折」するきっかけと「挫折」が甘いですね。
ワイからすると「え?そんなんで挫折するの?面倒な主人公だな」と感じました。
主人公は作品上、人間的にも不完全な設定になるのは承知なのですが、
「自分にもそういう欠点あるんだよな~」といった共感や好感を持てる主人公ではなく、単純に自分勝手な奴というか、あんまり、主人公に好感が持てるようには、描写されている作品ではないと思いますので、
その分、終盤に、主人公に対して、強烈な「挫折」って必要だったと思います。
こやつにはもっと絶望を与えるような「挫折」を与えてワイをスッキリさせてほしかったです。
終盤の「物語」としての追い込み方が無理くりだなとは思いました。
まとめ
という感じです。
作者は「剣道」をよく理解しています
良作だと思いますので1回お時間があったら読んでみてほしいです。
剣道未経験者と剣道経験者の視点でそれぞれの感想がみてみたい
追記:さっちゃん@剣道研究マガジン
剣道カテゴリーは「note」に移行しましたので、よろしくお願いします