俺は剣道で一番重要なのは、少なくとも「速さ」ではないと思っています。
それなら遅くても確実に1本になる打突です。
理由は3つ
1つ。審判の判定が一般になるのが厳しくなる、より正確性が求められる
2つ。竹刀が長くなる一般では最速スピードが中学、高校より遅くなる。
そのスピードに達したとしても、身体に対する負担量が大きすぎる
そして、3つ。そもそも人間が、攻撃を受けると認知して全く反応できない時間の最長は15/60秒(=1秒より短い)だからです。
例えば、「あ、面が来る」と気が付いて、1秒で受けられない場合は、相手の面が速いのではなく、自分の反応が鈍いことが問題になります。
自分の反応速度が気になる人は、反応速度を測定できるサイトがあるのでそちらで。
つまり、飛び込み面って完全に予想されてしまったら受けられてしまうし、返し技されてしまうんですね。
高鍋さんとか竹ノ内さんの面とかは知りませんよ?あんなの覚えたかったら死ぬ気で筋トレして死ぬ気で飛び込み面反復練習です(それでも、あの最速面にはそれはそれで技術がつまっています)
でも俺はそのレベルでも面が来るとわかれば、面返し胴打てます。最速面は30/60秒ぐらいですね。15/60秒以内に認知打突が終了するレベルで速い飛び込み面を俺は知りません。
※お互い内に入った状態で面打ちなら、15/60を切ります。なので、この状況になったら、面を打つか手元を反射的に挙げるのが得策となります。例外もちゃんとあるので剣道は奥深い
だから、剣道って剣のスピードを競うスポーツではないわけですよ
更に述べると、大学以降は、
高校まで通用していたスピード剣道が突然通用しなくなってしまいます。
まぁ、高校でスピードで通用するのも地方大会だけだと思っています
「は?じゃあ何が大事なんだ?おい」と思うわけですが
技術の面からみるとどうなのか
人が認知して全く反応できない時間というのは、15/60秒です。
これは、
認知されると15/60秒以降対応されてしまうんです
だから、自分の打突を速くするのではなく、
相手の認知と反応の時間をロスさせる技術を求められるわけです
それには、正確な打突機会と基本動作を極める必要があります
上級者や高段者の剣道の構えがみんな「同じじゃね?」って思うのは、相手に技をみせたくない、確認されたくないからです。自分の打突の速さには限界があるから。
素人からしたら個性がなくてつまんない。
あと剣道の一つ一つ技の性質を理解する必要もありますし、それを具体的に説明するとまた長々と説明することになるのでそれは別の記事で
つまり、構えも基本通り構える→一定の水準になる
ちゃんと練習すればみんなおんなじ水準になる
ある程度一定のレベルに達すればそう
スピードを求めず丁寧に打突の練習すればみんなできるようになる。
でね、剣道の一番に差がつくところって結局
精神力、思考力などといった部分、脳味噌
全日本のトップの人も「自分の剣道をすること」を口酸っぱく言ってると思いますが、
こういう理由ですね。
「あいつ、小手待ってるような気がする。面が打てない、でも、入ってきたら打つ」
「竹刀下げてきた、面、飛び込んでくるのか?でも、下攻められて小手が怖い」
「身体が後ろに傾いたか、目が俯いたか。今が飛び込む機械か」
「あ、その左足を蹴り上げる寸前、面打ってくるな。返し胴もらうで」
こんなことをその瞬間瞬間でずっと考え続けるスポーツだと思ってます。
「攻める!攻める攻める!」
こういう奴結構いますけど、はまった時の爆発力はすごいですし、負けた時はあっさり返し技くらって負けたりします。
剣道の打突、基礎動作を理論づけた思考力とそれを決断する精神力
これが一番大事。どのスポーツにいえちゃうんで希少性がない結論ですけど
ただ、一人VS一人と言う点と、一瞬で決まる時は決まるのを考えると
精神的負担はかなり大きいかと思います、剣道。
んで、小さい頃から剣道を始めたけど
精神力って根性論でどうにかなるのか、俺にはよくわからんかったので
まぁ、剣道センスはないんですよ
だから
精神力が最大ベースで、如何に理屈やデータでカバーできるかですね
なんにも知識なかったら「何で1本取られた?俺には才能がないからだ!」と思い込んで自信がなくなっていく。
それよりも「何故、ここで1本を取られたのか」という理由をつきつめる。
それで、納得して安心もするし、次の対策も出来る。
それで、精神的不安を払しょくする、と。
だから、このスポーツは寿命が長い。
死ぬまで考え続けなきゃならないし、年齢に関係なく精神面を求められる。
故に飽きない。身体が衰えても、読めればなんとかなる。
内村さん、今年準優勝で37歳ですし。
その原因を突き詰めると技よりも
「素振り」「構え」などの基本動作が大事になって行くんですけどね。
今回は「速さ」は重要ではないという主張をして終わりに。